コグトレを授業で導入するときの注意点

教室の荒れ

1. 無理にやらせない 強制にならない工夫を

「やらされている」と感じると、どんな活動も効果が半減します。

時間制限を設けたりして、早くできた子の名前を挙げたり、ゲーム感覚でできるように、コグトレを使っています。途中で飽きてやめてしまった子は気になりますが、コグトレの時は叱らないようにしています。

その代わりに優しく諭すイメージです。「あれ、○○さん鉛筆をもっていないけど、それでいいかな~」とか、「〇〇さんもうちょっと頑張ってみようよ」、みたいな感じです。

直らなくても、先生がちゃんと自分を見ていると伝えることが重要なので、定期的に声掛けをしようと思っています。自己肯定感を上げることも1つの目標なので、苦手そうな様子があれば、量を減らしたり、別の種類のトレーニングに切り替えるなど、柔軟に対応することが大切です。

2. やりすぎに注意:適切な分量がカギ

コグトレは集中力を要する活動です。


毎日行うのは理想的ですが、やりすぎると子どもたちの負担になり、本来の目的である「楽しみながら力を伸ばす」ことが損なわれていると感じることがあります。

大勢の子がいるクラスでは、コグトレがとても気に入って、「まだやりたい!」と言ってくれる子もいます。普段から勉強に対してやる気が出せない子たちがどんどんコグトレを進めているところを見ると、私もうれしくてついついたくさんの量を生徒たちに課してしまうことがありました。

でも一方で、何十分も続けていると、飽きてしまったり疲れてしまったりする子もいます。何度もそういう気持ちにさせたら、コグトレを見ただけで、面倒くささを思い出させてしまうものになるかもしれません。

高校などの学校の場合は、本来の教科書で勉強を進めていきたい子もいるので、時間の取り方はそのクラスの子たちの様子を見ながらバランスを取ることが重要です。


また集中力の波や教室の雰囲気に応じて、難易度を調整することも大切です。


3. 正解を重視しすぎない

コグトレには得意・不得意が出やすいものもあります。


苦手な子が「自分はダメだ」と思い込まないよう、点数以外の良さ(例:丁寧に解いた、最後まであきらめなかった)にも目を向けて声かけをしましょう。また教室でも「間違えてもOKだよ」というような、間違えを恐れさせない声掛けも必要だと思います。「間違った=ダメ」と受け取ってしまわないように、取り組む姿勢や工夫をほめることがとても重要です

4.継続できる工夫をする

どんなに良い取り組みも、続けられなければ意味がありません。毎日でなくてもOKなので、クラスの雰囲気や子どもの様子に合わせて、無理なく続けられるスタイルを探してみましょう。
たとえば「月・水・金だけ」「授業の前に5分だけ」など、パターン化することで習慣にしやすくなります。コグトレに限らず、継続して取り組む必要のあるものについては、先生からの指示がなくても子供た自然に取り掛かれるようにすると、スムーズに継続できます。例えば、予定表を作ったり、しつこく「月曜日はコグトレ」と声掛けをしたりすることです。時間はかかりますが、長い目で見て頑張りましょう。

また、中学生や高校生を対象にするとき、プリントのデザインなどがあまりにも幼いと、馬鹿にされていると感じてしまう場合もあるので、中高生でしたら、その年齢に見合ったデザインやフォーマットになるように工夫したほうが良いです。中には、コグトレ自体幼いと感じてしまう子もいますが、私は、「脳トレだよ。先生もたまにやってるんだ」とか、「就職の適性検査に似ているよね」など、ちょっと適当なことをいって、納得してもらって行っています。


5. とにかくほめる

コグトレは、誰もが取り掛かりやすいトレーニングなので、1人1人ほめてあげられる場面がたくさんあると思います。

その場面を見逃さないように、良い行いをしたり、集中して取り組んでいる子のところにはすかさず近づいて行って、「○○君、めっちゃ集中してる。すごい!」とか、「○○さんたくさん正解してるな。いいね」など、できたことをできるだけたくさんほめましょう。

通常授業でほめることが少ない子にはなおさらよくほめます。

普段から怒ってばかりの先生には、生徒たちは心を開かないです。怒るときもあるけど、いっぱいほめてくれる時もある、メリハリのある指導をする先生は信頼されるのではないかと思います。まだまだ劇的な成果を感じたわけではありませんが、このコグトレでほめられた経験が自己肯定感につながり、他の場面でも問題行動を起こしにくくなると思い、続けています。


6. 環境づくりも大事

集中しやすい環境が整っているかもチェックポイントです。例えば、

  • プリントや筆記用具がすぐに取り出せるようにする
  • 一斉に始めるタイミングを意識する
  • 成果を記録して「見える化」する

などのことを決めていれば、それなりにきちんとした空気を作れます。

コグトレはゲーム感覚で楽しめると先ほど書きましたが、ゆるく、遊びのようになってしまってはいけませんよね。それでは集中力を鍛える効果を発揮しにくくなります。生徒たちがたくさんいる中で良いスタートを切るのは難しいかもしれませんが、メリハリのある空気感を作るために、誰もが好き勝手に活動する環境にはしないことを心掛けていくことが大事です。

私は、机の上が散らかっていたり、私語がうるさすぎたりするときは、準備が整うまでコグトレのプリントを配布しないことにしています。

するとコグトレを頑張りたい子が、騒いでいる生徒に早くするように促してくれることもあります。

ですが厳密に、一直線に厳しい指導をしてしまうと、生徒との壁を作り、指導が通りにくくなる可能性もあるので、ここでもクラスに合った、先生自身の感覚が必要ではあります。


まとめ

こぐトレは、ちょっとした注意点を意識することで、より効果的に、より楽しく続けていくことができるとおもいます。
「コグトレがどんなものかわからない…」という方は、まずは基本のページから読んでみてください

教室の中で、先生が苦しい状況が徐々に改善され、その上生徒たちの可能性の土台を作ることができるようになるかもしれません。

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