非常勤講師の働き方

教室の荒れ

はじめに

前回の記事で、教師を辞めたくなった時のお話をしました。辞める前にできることの1つに、非常勤講師になることを提案しました。今回は、私が実際に非常勤講師として3年働いた経験をお伝えしていきたいと思います。非常勤講師に興味がある方に少しでもイメージが伝わるようにお伝えしていきます。

非常勤講師とは?

🔸非常勤講師とは?

まず、非常勤講師の働き方ってどんな感じかイメージしにくい人もいると思うので、特徴をお話していきます。非常勤講師とは、学校などの教育機関で週に一定時間だけ授業を担当する契約制の教員のことです。常勤(フルタイム)教員とは違い、勤務時間・責任範囲が限定されたパートタイムの教員です。


🔸主な特徴

項目内容
雇用形態非正規雇用(契約職員)
勤務時間決められた授業時間のみ(週数コマ程度)
担当業務授業(講義)が主。通常ホームルーム・部活動・学校運営などの業務は基本的に担当しない
勤務場所主に中学校・高校・大学、専門学校など
給与コマ数に応じて支払われる「コマ給(授業単位の報酬)」
社会保険原則、勤務時間・勤務日数が基準を超えない限り加入義務なし(自分で国保・国年などを管理)

非常勤講師のメリット

🔸自由な時間ができる

非常勤講師は先ほどお話した通り授業(講義)が主なので、ホームルーム・部活動・学校運営などの業務を担当することはありません。ですから自分の授業さえこなせば、後は帰っていいのです。拘束時間が短いので自由な時間をたくさん確保することができます。

🔸授業に集中できる

学校に行って、職員室ですることは授業準備だけではないかと思います。常勤はクラス運営や部活や生徒指導などで授業どころではない先生が多いですが、非常勤の働き方を利用して、工夫の詰まった授業を作ることができます。基本的に授業の時給だけが給料なので、自分の許せる範囲内で教材研究に力を入れるのはとてもいいと思います。

🔸先生同士最低限の関りで仕事ができる

先生同士で仲良くしたい人もいれば、面倒だからできるだけ関わりたくないという人もいると思います。非常勤講師の仕事は基本的に授業だけなので、必要以上に先生と仲良くしなきゃとか、気を遣っておかないとと思う必要はないのではと思います。私自身、人は好きなのですが緊張しいでもあるので、非常勤の頃は気楽でよかったと思います。もちろん常勤として、少し深めに先生同士で関わることの良さもありますが。

非常勤講師のデメリット

🔸収入が不安定

コマ数に応じて支払われるので、週単位で受け持つ授業数が少なければ収入もそれだけ少なくなります。私は月10万円に届かないこともありました。でも、自由な時間を使ってブログを書いたり英語の勉強をしたりしていたので納得して働いていました。

🔸複数の学校を掛け持ちする大変さ

1つの学校だけで求める収入が得られれば必要ありませんが、1つの学校で授業数を十分確保できないときに掛け持ちが必要です。

私は私立の高校と、塾を掛け持ちしていました。昼は高校で働いて、夜は塾に行くという日が週に何日かありました。この働き方はしんどく、授業の取り方を間違えたなと思いました。

でも、自分で双方に相談をして働く時間をうまく調整すればいいだけのことです。できるだけ楽に働きたいという理由で非常勤を選択するなら、移動時間や自分の働きやすさをよく考え、計画を立てることが大事です。

必ず自分の要望が通るわけではないので、注意が必要です。

🔸常勤の先生と仲良くなりにくい

これはメリットに感じる人もいれば、デメリットに感じる人もいると思います。非常勤の先生は責任を負うべき部分が常勤の先生と比べて少ないです。私が非常勤をしていた時、常勤の先生とは深い話はできなかったし、人によっては心に距離感を感じていました。

例えば、学校に対して非常勤が提案をしたりダメ出しをすると、面倒に思われることが多いのではないかと思います。そっちは授業のことしか考えないでいいからいいよな、みたいに常勤の先生は思っているところがあります。全員ではありませんが。

とは言え、どうしても困ったことがあれば助けを求めるべきです。丁寧に相手を尊重して相談すれば、受け入れてもらえることが多いと思います。

最低限のやり取りで済ませたい人にとっては最高の働き方ではないかと思います。

時間割を考えるときの注意点

時間割の調整は、教務課がしています。教務部長に自分の要望は伝えるのですが、非常勤は助っ人という立場の認識の学校が多いのではないかと思います。

あくまでも補助的存在として非常勤を認識している学校では、要望が通りにくいかもしれません。

私の学校ではなぜか非常勤の先生のスケジュールが優先されます。学校によって非常勤の扱い方や見方は様々なのだと思います。

また、時間割で要望がある場合は、コンタクトが取れるなら新年度が始まる前の3月中にはしましょう。時間割を作る仕事はとても大変です。ただでさえ色んな条件が邪魔をしてきて、パズルみたいに苦労しなければならないのに、出来上がった後でまた変更を強いられると教務もうんざりしてしまいます。

こんな人に向いている

🔸教育に関わり続けたいけれど、フルタイムは難しい人

教師をやってみたいけれど、いきなり常勤をして担任を任されることに不安を感じたりする人もいると思います。常勤の経験があるけれど、少し休んで視野を広げたい人もいると思います。そんな思いがある方にはぴったりな選択肢です。

🔸自由な働き方を望む人

1日中職場に拘束されるのが嫌だなと感じる人、色んな仕事をやってみたい人も、非常勤なら片足を突っ込んだままその思いをかなえることができます。

まとめ

  • 「辞める=教育の現場から完全に離れる、ではない」

非常勤なら、教育の現場から完全に離れることにはなりません。一つの選択肢として持っておくと楽になるのではと思いながらお話してきました。私は現在常勤ですが、非常勤の頃は時間が自由に使えたので教材研究に力を入れることができ、自分なりの授業の形をいくつか手に入れました。紹介したようにデメリットもあるので、自分の希望や要望をうまく擦り合わせながら選んでみてくださいね。

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