メリット
自由な時間ができるのが最大のメリット
非常勤講師として働く大きなメリットの一つは、「自由な時間が増える」ことです。常勤教員と比べると授業数が限られており、放課後の会議や部活動などへの参加も少ないため、自分の時間を持ちやすくなります。
私自身、この自由な時間を使って、いくつかのことに挑戦してきました。
- ブログを書く:自分の教員としての考えや経験を文章にして発信することで、新たなつながりや気づきが得られました。パソコンがあまり得意でない私が自分でサーバーを借りてブログを立ち上げること自体ハードルが高く感じ、なかなか踏み出せなかったのですが、非常勤になってできた時間で自分のペースで勉強することができました。今は常勤なのですが、ブログを継続して育てていきたいという意思が固まり、時間をうまく作って続けています。
- 塾で働いてみる:学校とは異なる教育現場を体験することができました。塾で働いてみたいという気持ちが以前からあったので、とてもいい機会でした。やっぱり学校で授業するほうが向いているという気づきが得られました。
- 本をたくさん読む:ブログに関する本、授業改善やAIにも興味があり、気になる本を片っ端から読みました。
- 英語の勉強:以前から挑戦している英検1級の勉強にも多くの時間を割きました
このように、非常勤講師という働き方は、「自分の好きなこと・気になることを追求できる」貴重なチャンスを与えてくれます。
自由な時間は、使い方次第で大きな価値になります。「自分の軸」を探しながら、その時間をどう使うかを考えることが、非常勤講師としての充実につながります。
精神的な負担が比較的少ないのも魅力
私が非常勤講師という働き方を選んだのは、常勤講師として働いていたときに心の限界を感じたのがきっかけでした。
授業がうまくいかず、生徒との関係に悩み、学年団との人間関係もうまくいかない。そんな日々が続いて、「もう無理かもしれない」と感じていたのを覚えています。自分を責め続け、心が折れる一歩手前でした。
そんな中で、「一度立ち止まって、働き方を変えてみよう」と思い切って、非常勤講師を選びました。
非常勤になると、担任や校務分掌のような大きな責任からは離れ、授業だけに集中できるようになります。たとえ、その日に荒れたクラスの授業が入っていても、「この授業だけ乗り切れば、今日はもう帰っていい」と思えるだけで、心がとても軽くなりました。
それまで何をしても楽しめず、買い物に行っても本を読んでも気持ちが晴れなかった私が、自由な時間が増えただけで少しずつ「楽しい」と感じられるようになっていきました。
非常勤講師として過ごした期間は、私にとって「自分を見つめ直し、立て直す時間」になりました。授業を勉強し直し、自分の気持ちと向き合うことができたことで、「また常勤として働いてみたい」と前向きに思えるようになったのです。
実際に、今は常勤講師に戻りました。でも以前とは違い、心は安定しています。それは、非常勤講師としての時間があったからこそです。無理に続けていたら、多分教師を辞めていたと思います。
非常勤講師という働き方は、ただ責任が少ないというだけでなく、限界を感じたときに「一度立ち止まる」ための優しい選択肢だと思います。
教える力・専門性が磨かれる時間になる
教師を辞める前に、少し立ち止まって自分の働き方を見直してみよう」という思いもあり、非常勤講師という働き方を選びました。
非常勤になると、担任業務や部活動、校務分掌などの責任がなくなり、授業に集中できるようになりました。時間にも気持ちにも余裕が生まれ、授業を見直したり、生徒との関わり方を学び直す時間が持てたことは、本当に大きな転機でした。本や動画で学んだことを、授業で実践(実験)してみる余裕が生まれました。
特に、難しいクラスや荒れている生徒との関係の築き方など、これまでうまくいかなかった部分を冷静に振り返り、自分なりに改善していくことができました。
その結果、「もう一度常勤として働いてみたい」と前向きに思えるようになりました。
非常勤講師は、教育現場に関わりながらも、自分自身を立て直したり、学び直したりする時間を確保できる働き方です。精神的に追い詰められていた私にとっては、本当に“救い”のような選択肢でした。
私はまた常勤に戻りましたが、戻らないという選択をする人もいると思います。それはそれで、非常勤講師をやってみて考え出した1つの答えなので、意味のあることです。迷いがあったり、まだ次のステップを踏み出せない時にもピッタリの選択です。
デメリット
収入が不安定・少ない
非常勤講師は、授業数で収入が決まります。学校によって1コマ当たりの値段は変わります。
中学・高校
- 公立高校:1コマあたり 2,000〜3,000円程度
- 私立高校:3,000円前後の場合も多い
例えば、1コマ3000円の時、1週間当たり10コマ授業を持っているとすれば、月に12万円くらいになります。
自由な時間を増やしたくて非常勤を選んだ人は、あまりコマ数を入れすぎても本末転倒なので、自分の生活と上手く折り合いをつけて時間数を調整できるといいと思います。
学校内での立場が弱く感じることがある
担任や校務分掌がないぶん、気楽ではあるものの、会議や方針決定の場に参加しないことも多く、「蚊帳の外」のように感じることがあります。
教員同士の関係も浅くなりがちで、孤独を感じてしまう場面もあるかもしれません。非常勤と常勤という違いで、お互いのことを深く分かり合えないし、話題に入っていけないとしても仕方のないことだと思います。
でも、私自身はあまり人と関わりたくないという気持ちがあったので、立場が弱いと感じても気になりませんでした。
人と関わりたくないそれそれ立場は保っていたいのが本音かもしれませんが、実力をつけるまで両方は無理かなと思います。
非常勤講師の仕事は基本的に授業なので、職員室でやることと言えば授業準備くらいです。居心地が悪いと感じれば、家に帰って準備してもいいです。私の場合は、印刷機や教材がそろっている職員室で仕事がしやすいと感じたので、職員室で仕事をしていました。その時の気分で決めるといいと思います。
まとめ
非常勤講師は良い面もたくさんありますが、悪いなと感じる面もあります。何が良くて悪いと感じるかは人それぞれです。
自分が一番大事にしたいことは何かをきちんと理解し、こんなデメリットもあるんだと思って選べば、心の負担を減らすことができます。
もちろんやってみないと分からないこともたくさんあります。あなたが良い選択をしていけるように願っています。
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