コグトレを使った、やさしい英語授業の作り方

コグトレ

🟩 はじめに:授業がうまくいかない時に

先生をしていると、生徒指導で困ってしまう場面はいっぱいありますよね。例えば、「チャイムが鳴っても席につかない」、「授業中おしゃべりが絶えない」など、数えきれないほど大変なことがあります。

その大変さを、少し助けてくれるのがコグトレです。今日はコグトレを取り入れた授業について、コグトレの部分だけでなく、全体的に私の授業を紹介しようと思います。

あくまで私の授業の形というだけで、正解をお教えできる訳ではないのですが、コグトレの取り入れ方や今の授業に迷いがある方の道しるべになることを願って、文章を書こうと思います。

コグトレとは何?という人は、【実践ブログ】「認知機能」ってなに?コグトレの土台をわかりやすく解説!から読んでみてください。

このブログでは、教員として現場で工夫している点や、経験で得た知識を発信していきます。皆さんの悩みに寄り添うことができるので、お気に入り登録をして、いつでも見られるようにしてくださいね。

🟩 なぜ授業の冒頭に「コグトレ」?

私の授業でポイントになるのは、授業の初めにコグトレを使うところです。コグトレは、集中力や注意力といった“学びの土台”を刺激するトレーニングです。


例えば「★が何個あるか数えよう」「図形をなぞって写そう」といった、静かに取り組める短時間プリントは、生徒にとってちょうどいい“脳の準備運動”になります。

私が使っているのは、以下のようなプリントです:

  • 「数える」:色んな種類のマークが並んだプリントから、特定のマークを数える(例:★)
  • 「写す」:図形などを模写する
  • 「覚える」:数秒で提示して隠し、思い出して書く

これらを授業の冒頭10~15分で行っています。


🟩 授業への取り入れかた(本時へのつなげ方も)

コグトレから授業に“自然に移行する”ために、以下の工夫をしています。

空気を切り替えず、そのまま「授業モード」に入る

コグトレは基本的に無言で取り組ませます。少し学力が低いとか、荒れている教室でも、コグトレは集中して取り組めることが多いです。だんだんうるさくなってしまいがちですが、ここは静かに取り組ませたいところです。もしできないクラスでは、一瞬でも静かにさせることを目標に、少し頑張ってみましょう。


プリント配布→タイマー→回収または丸付け、まで流れが決まっているため、生徒も“黙ってやるもの”という認識になりやすいです。ただ、先生も無言で緊張感を出すのも大切ですが、褒めることは忘れないでくださいね。

この静かな空気のまま、

「じゃあその集中のままで、今日は英文穴埋めをやっていきます。」

たったそれだけで、コグトレで高めた集中を授業に持ち込むことができます。


コグトレの課題と本時の学習内容をつなげる

例えばこんな風につなぎます:

コグトレの種類授業とのつなげかた例
① 見つける系(〇を探す)英文中の“指示した単語”を見つける演習へ
② 写す系(模写)英単語の日本語訳をノートに書き写す
③ 覚える系(記憶)英文に関する質問に答える

「似た思考回路を使う活動に自然につなげる」ことで、抵抗感なく本時に入れます。

でも授業の流れもありますし、コグトレの種類によって次の活動を変えるのは大変だと思いますよね。

無理やりにでも、「コグトレのここが、授業のこれとつながっているね」と関連があることを印象付けるだけでもOKです。

コグトレで得た楽しい雰囲気や自信を、コグトレ以外でも体験できると生徒が思えることが重要です。上の表の、授業とのつなげ方はできそうならやってみてください。

評価しない・勝ち負けをつけない

コグトレは点数で競わせないのが基本です。
私は「よく集中できていた人、すごいね」「今日の態度良かったよ」と姿勢・取り組み方を評価します。
これにより、誰もが成功体験を感じたまま授業に入れます

コグトレを使う時に気を付けたいことをまとめている、コグトレを授業で導入するときの注意点も、失敗したくない人は読んでみてくださいね。

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🟩 誰もができる授業を作る

学習指導要領や他クラスと足並みをそろえるなど、授業を進めるうえで気にしなくてはいけない事はたくさんあります。そのことを考慮せずに言いますが、荒れたクラスでは、誰もができる授業をしましょう

荒れている原因を考えてみましょう。授業中、おしゃべりが絶えなかったり立ち歩いて授業妨害をするのは、その子が先生の話を聞いても全く理解できないからという理由かもしれませんし、できないことを悟られたくなくて、虚勢を張ってしまうのかもしれません。

わかる授業なら、こんなことする必要はありません。

分かる授業を作ろうとしても、「教えるべき英文や内容自体がこの子たちにとって難しいよ」と思うかもしれません。

難しい文法や単語は置いておいていいと思います。私は、ほぼ答えの書いてあるプリントを使っています。そして質問は誰もが分かるような内容や、やさしいヒントを多めにして投げかけています。

そんな授業意味あるのと思われるかもしれませんが、その通りで、学力のすごい向上は期待できません。

私の目的は、コグトレで認知機能の土台を育てることです。本時では興味が持てることと、誰もが参加できるということです。

私は少し前、英語を身につけさせなきゃいけないと躍起になって文法や文構造を教えていましたが、荒れたクラスでどんなに頑張っても空回りしていました。

でも少しでも分かる、参加できる授業にすれば、勉強に取り組める子の数はぐっと増えてきます。

まずは、英語に触れて楽しさを知ることが、英語力を向上させる第一歩です。

次に私が「コミュニケーション英語Ⅱ」の授業で行っている授業の流れをお見せします。

🟩 授業の流れ

 

🟩 おわりに

コグトレの取り入れ方と、誰でもわかる授業についてお話してきました。今回は「コミュニケーション英語Ⅱ」を例にしましたが、誰でも理解できて自己肯定感UPできる授業を作ってみましょうということが一番伝えたかったことです。コグトレと、やさしい授業をまずやってみましょう。そして生徒をいっぱいほめてあげられる時間を作れたらいいです。

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